浄化槽の維持管理(保守点検・清掃)はなぜ必要なのでしょうか? | |
下水道と同等の汚水処理性能を持つ合併処理浄化槽の構造は建築基準法で定められており、正しい使い方と適切な維持管理を行えば本来の機能を十分に発揮することができますが、使い方を誤ったり、維持管理が適切に行われていないと、悪臭が発生したり、放流水の水質が悪化したりしてしまうことになります。 浄化槽で処理された水は公共の水路へ放流されるわけですから、維持管理を怠ると公共用水域の汚濁の原因となります。 |
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水質検査とはどんなことを検査するのですか? | |
すべての浄化槽はこの「水質に関する検査」を受けなければならないと、浄化槽法に規定されています。 この検査には「設置状況検査(7条検査)」と「維持管理状況検査(11条検査)」があります。 検査のチェック項目は下記の表をご覧ください。 |
外観検査 | 水質検査 | 書類検査 |
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保存されている保守点検及び※清掃の記録等を参考とし設備又は維持管理が適正に実施されているか否かについて検査を実施する。 ※については7条検査は該当しない |
保守点検も清掃しているのに水質検査が必要ですか? | |
保守点検とは浄化槽の機能が正常に保たれるよう機器類の点検・調整又はこれらに伴う修理をする作業であり、また清掃とは、槽内に生じた汚泥・スカム等を抜き取り、調整、並びに各装置及び機器類の洗浄掃除をする作業で、保守点検、清掃とも浄化槽の機能を適正に保つための作業です。 検査は、この作業が国の基準通り適切に行われているかを、放流水の水質検査を中心に、外観検査・書類検査とあわせて検査するものです。そして保守点検や清掃とは趣旨、内容も異なり全く別の観点から行われるものですから、たとえ保守点検業者に委託していてもこの「水質に関する検査」は受けなければなりません。 |
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BODとはなんですか? | |
BODとは、浄化槽がきちんと働き、水がきれいになっているかどうかをバイオの力で調べる検査のことです。水の汚れをバクテリアが食べて分解するのに必要な酸素量を5日間かけて測定します。 汚れの度合いが大きいほどバクテリアの活動が活発になり、それにともなってより多くの酸素を必要としますから、BODは大きな数字になります。 人間も血液検査や尿検査で健康状態がわかるように、浄化槽もBOD検査で健康状態が分かるのです。 合併処理浄化槽の場合、BODの処理目標水質は20mg/L以下と定められています。 |
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浄化槽法に違反した場合「罰則」とはどの程度のものですか? | |
浄化槽管理者に関係する違反行為と、その罰則は次のようなものです。
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長期間留守になる場合、その間浄化槽はどのようにしておけばよいのですか? | |
送風機(ブロワー)の電源は切らないようにしてください。 電源を切ってしまうと、槽内の微生物が酸素不足で死滅し、異臭を発するようになります。 もし電源を切るのであれば、槽内を清掃し真水で水張りしておいてください。その場合、消毒剤を補充する必要はありません。 |
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浄化槽のマンホールの近くで臭いがすることがあります。送風機は正常に運転しています。何か異常なのでしょうか? | |
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浄化槽から小さなハエのような虫が発生しました。良い対策はないでしょうか? | |
沈殿分離室(槽)や嫌気濾床槽では、汚物を貯留しますので、チョウバエやウジ虫が発生することがあります。気になる場合は、持続力の長いつり下げタイプの殺虫剤がありますので、保守点検業者にご相談ください。 | |
浄化槽から多量の「泡」が発生しました?何か異常でしょうか? | |
便器の掃除や洗濯に洗剤を多量に使用されますと「泡」が発生します。洗剤を全く流さなくても「泡」が発生することがありますが、性能上の異常ではありません。気になる場合は消泡剤がありますので、保守点検業者にご相談ください。 | |
浄化槽に貝がいるのですか? | |
排水処理施設ではサカマキ貝が発生することがあります。排水口から浄化槽内に侵入するケースが多いようです。この貝は食欲が旺盛で、浄化槽の微生物を食べてしまうために、処理性能の悪影響を及ぼすことがあります。次回の清掃時に浄化槽の内側をきれいに流して駆除して下さい。 | |
保守点検回数は3ヶ月に1回 年4回でなければいけないのですか? | |
環境省令では4ヶ月に1回以上とされていますが、消毒剤の補給やスカムの移送、その他各種調整等の間隔を考慮すると3ヶ月に1回以上が望ましいと考えられます。また県内でも3ヶ月に1回の保守点検が、ほぼ定着しており、問題はないと考えています。なお3ヶ月に1回でも少ないと思われる施設については、2ヶ月に1回以上の保守点検契約をしても、差し支えありません。 | |
標準契約制度とは、どんな制度ですか? | |
本来の機能を発揮するため浄化槽を設置した場合は、適正な維持管理「保守点検・清掃・法定検査」が不可欠となっており、浄化槽法で義務づけられています。 このため平成24年4月から、新たに設置される10人槽以下の浄化槽(平成26年度からは、50人槽以下の浄化槽に拡大)について、設置手続時に、この契約書の提出が義務づけられました。 よって今までは、それぞれ個別に依頼して実施していただいていた保守点検・清掃・法定検査を、一括でご契約いただくことにより、万一、故障等が発生しても、それぞれが連携して、迅速に対応出来ますので、浄化槽を安心してご使用いただけるようになりました。 また、料金も明示されており、口座振替をご利用いただきますと、年間の委託料が分割でのお支払いが可能となるなど、浄化槽をお使いになられる方にとって、安心で便利な制度です。 | |
特別認定管理士制度とは? | |
県知事登録の保守点検事業所に所属する管理士のうち、知識・技能が特に優秀であり、一次検査(採水検査によるスクリーニング方式)の代行者として検査機関が特別に認定した「浄化槽管理士」のことです。 認定講習会を修了し、審査委員会で認定された浄化槽管理士が、検査機関が行う定期検査(法第11条検査)の一部を担当します。(ただし、10人槽以下の、みなし浄化槽〔単独浄化槽〕に限ります。) | |
保守点検している人と検査を行う人が同じ人で大丈夫なんですか? これまでは、第三者の立場の検査員が、公平・公正に検査を実施すると聞いていたんですが? |
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検査の基本的な考え方は、変わっていません。ですから、管理士という資格者であっても、全ての管理士がこの検査を代行する訳ではありません。検査員と同等の能力、倫理観を持ち合わせた資格者を特別に認定して、この検査を委託しますので、検査の精度が落ちることはありません。但し、万一不適切な業務が行われた場合には、審査委員会により、資格が取り消されることになります。 | |