公益社団法人 徳島県環境技術センター

浄化槽とは?

浄化槽は身近な汚水処理施設

一口で言えば「水洗便所からの汚水や、洗濯や風呂場等からの排水を沈殿させたり、微生物の働きにより分解したりなどして浄化し、きれいな水にして放流するための施設」ということができます。
わたしたちは毎日の生活の中で、たくさんの水を使用しています。そして、その水の多くは最終的に汚水となって側溝や下水道などに流れ込み、川や湖沼そして海へと流れていきます。しかし、汚水のままの状態で、川や湖に放流されると水の汚濁がすすみ、魚も住めなくなって、やがて美しく豊かな自然は崩壊されます。そこで大切な生活環境を守るため、汚水を処理し、きれいな水を取り戻す役目を担うのが浄化槽です。
浄化槽は大規模なものから各家庭ごとの小規模なものまで、地域の実情に応じて設置できるので、山や起伏が多く分散型の集落が多き日本ではとても適した処理施設です。


吉野川下流

浄化槽の役割

家庭から出された生活排水は、最終的に近くの湖沼や河川を通って海に流れていきます。昔は、ほとんどがそのまま放流され、自浄作用と呼ばれる自然が本来持っている能力で浄化されていました。しかし、現在では開発による自然破壊や人□増加、そして人間のライフスタイルの向上などの影響で、汚濁物質の質は変化し、流入量も増加しました。そのため、汚濁物質をそのまま放流すると、微生物が著しく増殖して水中に溶存している酸素を消費して魚が生息できない環境になって、その水環境の生態系は崩壊してしまいます。
このような問題を解決するため、家庭からの排水は浄化槽により一度処理してから自然の水域に流されるようになりました。


浄化槽の仕組み

まず汚水は嫌気槽と呼ばれる部屋に入ります。ここには、空気を嫌う微生物が住んでいて、汚水中の有機物を食べています。人間から見れば、有機物を分解していることになります。次の槽は、好気槽といいます。この部屋には、酸素が無いと生きられない微生物が住んでいます。そのため、全体に空気を送って、汚水中に酸素が十分に溶けているようにしなければなりません。嫌気槽から送られた汚水は、ここで更に分解され、有機物をできるだけ二酸化炭素に変換します。これを無機化といいます。
この有機物が無機化する度合いは、BODという方法で分かります。BODとは、生物化学的酸素要求量の略で、微生物が有機物を食べる(分解する)のに必要な酸素の量を表したものです。有機物の量が少なくなるにつれ、BODの値は減少します。
このように汚水は浄化槽で処理されると無機化され、BOD値の減少、つまり微生物のエサとなる有機物の量が減ります。また、有機物が減ると微生物が消費する酸素も少なくなるので、自然の水域に放流されても、そこに棲息する微生物が繁殖しすぎることや、魚が酸欠で死ぬ事もなくなり水域を清浄に保つことができるのです。
※(下の図を参考にしてください。)


嫌気ろ床接触ぱっ気方式

分離接触ぱっ気方式

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